どうも、ウモゾンです。
映画のレビューをします。
核心的な部分のネタバレには配慮をしていますが、完全ではないのでご注意ください。
今回は『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』です。
この作品から、サバイバルについて学んでいきましょう。
シチュエーション
兄妹が墓参りに訪れるシーンから始まります。
その墓地で、ゾンビに遭遇します。
兄がゾンビに襲われ、妹は近くの民家に逃げ込みます。
先に民家に避難していた者たちと合流し、サバイバルが始まります。
一軒家が包囲・襲撃されるというシチュエーションですね。
登場人物たちがどのようにして切り抜けるか、これが核となる部分です。
主な登場人物は7人(+1人)で、さまざまな立場や状況が交錯します。
民家の中における人間関係の在りようもまた、生き残るための大きなポイントになります。
脅威の特徴
想定されている脅威はゾンビです。
主体はブードゥー的なゾンビですが、そこに吸血鬼の要素が加えられています。
・食欲が人間に向けられる
・噛み傷によって感染する
・弱点が頭
イメージするのは、いわゆる現代的なゾンビ像ですね。
この作品で描かれているゾンビには、ある程度の知性と運動能力があります。
・手先の所作は機敏
・小走り程度ならできる
・車のドアを開けようとする
・ブロックを使って窓をぶち破る
・火を避け、光を嫌う
道具を使う描写があることから、論理的思考能力が備わっていると考えられます。
明るさを嫌がるのは、古典的なゾンビから継承した特徴かと思われます。
途中、木に這っていた虫をゾンビが捕まえて食べるシーンもありました。
その描写から、ゾンビの執着が必ずしも人に限らないのがわかります。
たとえばウォーキング・デッド的な設定をイメージしていると、この作品での描かれ方には違和感を覚えるでしょう。
これもなかなか見ない描写で、ゾンビものの原点とはいえ、新鮮な気持ちで観ていました。
一度は観ておくべき作品
ゾンビ映画の第一人者、ジョージ・A・ロメロの作品です。
1968年に公開された映画で、言わずと知れた名作です。
初回レビューにふさわしい作品だと思って選出しました。
モノクロ映画には馴染みのない世代ですが、大変面白かったです。
冒頭シーンでのセリフは時間に関するものでした。
この情報開示は、白黒映像ならではの工夫なのかもしれないと感じました。
僕がとくに気に入ったのは、音楽の使い方です。
セリフのない時間が続いたとしても、BGMの抑揚によって感情が揺さぶられます。
登場人物については、立場や性格がそれぞれ異なっています。
メインの視点が移り変わり、主人公を断定できないのが興味深いです。
各人の際立ったキャラクターから、劇的な展開が発生します。
登場人物の人数やそれぞれに与えられた役割は、このドラマを生み出す最小要件だったのかもしれません。
あらゆるゾンビもののコンテンツが、この作品の影響を受けていることがありありと伝わります。
古典的なゾンビ像に吸血鬼の要素を付加したロメロの解釈は、もはや発明の域に達しているといえます。
もちろん吸血鬼の要素でいえば、リチャード・マシスンの『地球最後の男』は無視できません。
しかし、ゾンビという枠組みで考えたとき、強固なテンプレートを構築したのはこの作品だと僕は思います。
一度は観ておくべき作品だと思いました。
以上、ウモゾンでした。
ありがとうございました。
コメント